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大きな瞳に映るのは
第23章 関係



ぐつぐつとポットのお湯が沸く。
パチッと火を止め
お茶っ葉の入ったガラスの容器に
お湯を移し入れる。

熱気でガラスが一気に曇った。


「 ねぇ、ハル 」

ちゃんとこれからの事を話したい。

そう思った私は濡れた手を拭き
遙の隣に腰かけた。


『 …ん? 』

映画を一時停止させ遙が私を見る。
テレビ画面には先ほど流れていた映像が止まりぼやけて映っている。


私は、遙の事が好き。
けれど奏先輩に揺られているのも事実だ。
だから私には自分の気持ちを
ただただ伝えることしかできない。
何が正しいか。
どうしたらいいのかなんてわかりっこない。


「 私、ハルの事 … 好きなの 」


うん、と小さく相槌を打ちながら私をまっすぐ見つめる遙。


「 私、もっとハルの事 … 知りたいの 」


その間遙はずっと私を見つめていた。
一度も逸らさず、まっすぐに。

そして遙は私の頬にそっと手を添える。

ゆっくりと二人の唇が近づき
柔らかく重なった。


チゥ


リップ音と共に離れる唇
そして額と額を合わせ、遙が口を開いた。


『 … じゃあ、どうしたらいい ? 』


囁く様に、私に言葉を呟く。
遙の目線は私の目と私の唇を数回行き来する。
その伏せ目になった表情がたまらなくて。

ぐっと唇を噛みしめる。

どうしたらいいかなんて

私が応えれる質問ではなかった。



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