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大きな瞳に映るのは
第9章 自由奔放



『 木下音夢は何部入ったの 』


がさがさと壁に並べられた譜面を手に取りながら聞いてきた。

 
「 まだ部活は… 生徒会のことでいっぱいで… 」

『 生徒会ってそんなする事あったっけ? 』


おかしそうに笑い一つの楽譜を取り出しこちらに目を向ける。


「 あっ、ありま… あるよ! 体育祭のこととか… 」

『 あー、そんなのもあったねー 』


思わず敬語が出そうになるが堪える。
遙は生徒会の話に興味を示さない。
むしろ本当に生徒会メンバーなのだろうか?


「 ハルって生徒会メンバーだよ…

『 音夢、音楽、好き? 』

「 …はい? 」


私の話を遮って私に問う。


『 だから、音夢は音楽好き? 』


いきなり名前で呼ばれドキッとしてしまう。


「 あ… 好き… だけど? 」

『 じゃあピアノ弾ける?! 』


無邪気な少年のように瞳を輝かせて聞いてくる。


「 一応は… まあ… 音楽専攻だし… 」

『 じゃあなんか弾いてよ! 』

「 えっ 」


まさかの振りだった。
あんな素敵なメロディを奏でる彼の前で一曲弾くだなんて。


「 あ、いや… それは… 」

『 なに?なんか不都合あんの? 』


まっすぐに私を見つめる。



トントンッ



その時教務室のドアをノックする音が聞こえた。



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