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公衆便所から始まる
第5章 カウンター
これ言ったら激怒されるかなぁとも思わなくもないけど、でも本気で嫌だったらもうすでに激怒されてるでしょって気もするし。
まぁもしほんとに怒られたら、これ転送して逃げるし。

「お、俺と二人で」

もしも有紀人さんが流されてくれるつもりなら、それを後押しするいい言い訳になるし。

「ラブホ行こ?」

っひー、脅迫じゃなくお誘いになっちまったじゃんか!
頭起こしてこっち見てた有紀人さんと目が合った俺は、その気持ちがあからさまに顔に出たらしい。
ぷっと笑われる。

カウンターの向こうでは香川さんもゲンドウポーズで声を殺して笑ってる。
ほっとけよ!

これはもう、カッコつけられる感じじゃない。
あと、頼み込めばヤらせてくれる女もいるらしい。
それが男に━━この人に通じるかはわかんないけどいまの俺にできることといったらそれくらいだろ。

いやでもさすがに『ヤらせて』はまずいか……。

「お願い、二人っきりでチャンスください!」

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