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サイドストーリー4
第5章 数学のセンセイ
「飯田センセイ、処女でしょ」
俺は今日だされた問題の中で1番難しい問題を解きながら言った。
「え!」
「分かるよ。話してればね。結婚相手のためにとってあるの?
それとも今までチャンスがなかった?」
「なっっ!」
「別にどっちでもいいけど。はい。この問題も出来たよ」

「もっと自分を大事にしないと」
そう言う飯田センセイをじっと見つめる。
「大事って何?俺は俺の気持ちを大事にしてるけど?
ちょっとかわいい子がいればキスしたいと思うだけ。
イイ女がいればセックスしたいと思うだけ。いけない?」

「智樹君が好きな女の子ができたら後悔するよ」

くるくると回していたシャーペンを止め、じっと見つめる。

「後悔させてよ。弥生ちゃん」
「え?」
「俺を本気にさせてよ」
「何言って・・・」

頬杖付いていた手をゆっくりと顎から外して
飯田センセイの顎に手を掛けた。

飯田センセイに逃げる隙を与えて。
それでも逃げない飯田センセイは
逃げないのか、逃げられないのか。

ゆっくりとキスをした。

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