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サイドストーリー4
第6章 数学のセンセイ②

二人で見に行った合格発表の掲示板の前で
智樹君はそっと私の手を握って小さく「ヨッシャ」とつぶやいた。

智樹君は半年前、この学校に合格するレベルには全く達していなかった。
どれだけ頑張ったか1番近くで勉強を教えていた私が1番良く知ってる。

じっと合格番号から目が離せなかった私の耳元で
「本気だって分かってくれた?弥生ちゃん」
と小声で言った後に、耳たぶにキスをした。

大学3年生までファーストキスもまだだった私はお世辞でも自分に魅力があるとは思っていない。

けど、そんな私とのデートのために
こんなに頑張った智樹君にドキドキしてる。
6コも年下の中学生に。

私は智樹君とつないだ手にぎゅっと力を込めた。


「弥生ちゃん!」
今日は仕事帰りに智樹とデートの約束をして待ち合わせた。
「もうすぐ夏休みだな」
「その前に私は期末テスト作らなきゃ~」
「頑張れよ。センセイ」
「うん」
「俺たちのファーストキスをした日を思い出した」
「ええ~」

あれから5年。今智樹は私の隣にいる。
智樹はもうすぐ、あの時の私と同じ年になる。
ファーストキスもファーストデートもエッチの初体験も全部智樹とだ。

「可愛いかったな。弥生ちゃん♪」
「今は可愛いくないみたいじゃない~」

「いや。俺にとってはいつまでも最高に可愛いオンナだよ。
もう、これ以上本気にさせないでよ。弥生ちゃん」

そういってもう何千回目かのキスをする。

「私以外の誰ともキスしないで」
「もちろん」

大好きよ。智樹。

END*****


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