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サイドストーリー4
第10章 出逢いは必然に
次の日、会社で仕事の調整をしていたら
大川さんが代わりに取ると言っていた休みの日に
私も休めそうだったので、急いでそこに休みを入れた。

「大川さんっ!私、大川さんが休む日に休み取れたよ!」
「え・・・・」

私がにこにこして帰って言ったその言葉に
大川さんが、あ然として、そして次の瞬間笑い出した。

「あっはっはっは。俺、その日に仕事入れちゃった。
陽菜が休めるときにいつでも休めるように」
「え!」

二人で顔を見合わせた後、苦笑いした。

「ごめんね。私が忙しすぎるね」
「いや。俺も忙しいからお互い様。
旅行はまた今度、二人で休めるときに行こうぜ」
「うん」

なかなか休みが合わない私たちだけど。
それでも夏の終わりにやっと合わせた2日間に、1泊で温泉に来た。

「沖縄が温泉になっちゃったなぁ」

貸し切った温泉に二人で入りながら残念そうに言う大川さんに
「いいじゃないの。温泉だって。一緒に来れたんだから」
というと・・・

「陽菜の・・・陽菜の水着が見たかったんだよっ」
と、思った以上に力説する。

「水着?」
「ああ、水着だよ。水着!夏の始めに買っただろ!あれが見たいんだ」

子供みたいに大きな声で見たい、見たいと私を抱きしめながらつぶやいた。

「あっはっは。持ってきたよ。明日一緒にプールに行こうよ」
そう言うと
え!と驚いて
「持ってきたの?」
「持ってきたよ。大川さんの水着も持ってきたよ」

「陽菜大好き。愛してる」

とギュッと私を抱きしめた。

男ってしょうがないな。
私は抱きしめられた大川さんの腕の中で小さく笑った。

END****


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