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サイドストーリー4
第20章 悠久の恋の果てに
「いや。ありがたいと思うよ。それ大事なものだろう。
うちのモノが字が読めないのに字が書いてある地図を渡していたのは
うちの問題だ。注意しておくよ」
「じゃぁ、これを、あの子にあげてくれよ」

「それとこれとは別問題だ」
「・・・・・」

「その子は僕の好きな子なんだ」
「え?」
「字が読めないのは前から気になっていたんだけど
その子の仕事の忙しさに後回しになっていた」
「好きって・・・・」

「好きなんだ」
「・・・あの子使用人、だよな?」
「そうだよ」

「そうだよ、って」
「僕たちは一緒になれないと分かっている。
叶わない恋だと分かっている。
そんなことはお互いが1番分かっている。
僕は、男爵家の嫡男としての責任も分かっている
好きな女性と一緒になれないなんて、物心がついた時から百も承知だ!」
「・・・・」

「でも、止められないんだ。それが恋心だろ?」
「・・・・」

「その本を、断るのは男爵家としてのケチなプライドなんか関係ない」
「・・・・」
「好きな女に対する男としてのプライドだ。
前に君は僕が羨ましいと言ったね。
でも―――。好きな女性と結婚できる君が・・・僕は羨ましいよ」

そう言いきった僕を見て大声で笑い出した。

「大久保君、君とは生まれる時代が違ったら友になれたかもしれないな」

そう言って僕の肩をたたいた。


彼も、今どこかで生まれ変わっているのだろうか―――



END****



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