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サイドストーリー4
第26章 『先生』
田島がサークルで1泊に行くと言いだした。
その日は3連休で塾も休みだったので、前からどこかに行こうと思っていたのだけど
忙しさにかまけて行こうというのを忘れていた。

忘れていた俺も悪いし、田島もたまには大学の仲間と遊ぶのもいいかと思ったけど。
近頃田島の話に男の名前が良く出てくる。

「今度、木下君も一緒に行くんですけどね?」
「あぁ」
「木下君が二人で一緒の車で行こうっていうんです」
「あぁ」
「・・・・ちょっと先生!聞いてます?」
「悪い。この小テストの採点だけ終わらせる」
「・・・・分かりました」

シュッシュッと水性マジックの○を付ける音だけが部屋に響いた。

「田島さぁ」
「!!なんでしょう?」

嬉しそうに返事するけど・・・

「その木下君との話、俺にやきもち妬かせたい訳?」
「っっ!!」

「違います!」
「あっそ。それならいいけど。俺学生の男なんかにやきもち妬かないよ」
「・・・」
「もし、田島が本当にその男の方が良いなら、学生同士の方が付き合うにはいいと思うし」
「・・・」
「でも木下君と二人で車に乗るなら気をつけろよ」
「!!!何を気を付けるんですか!やきもち妬かないんでしょう!」

そこで○付けをしていた手を止めて田島と向き合った。

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