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月の吐息
第3章 雲隠れ


エレベータが開いて、真っ先に、例の窓際の席を確認する。

胸を撫で下ろした。

健二はいない。ちょっとホッとしていたら、あの若いウェイターが案内に来る。



「いらっしゃいませ。あ、お久しぶりですね」
「こんばんは」



時刻は9時過ぎ。
生演奏よりも、今日はバーテンさんに後日談を聞きたいだけだったし、奥側のカウンターに案内してもらった。
薄暗くて、入口付近やピアノの方のお客さんは良く見えないけど、それが、逆に居心地がいい。



「お久しぶりです」



このテノール。
良かった。今日は、イケメンは奥側対応なのね。
癒やされながら軽く会釈すると、穏やかな微笑みに自然と笑みが零れた。



「今夜は、どうされますか?」
「こないだの、あれが飲みたくて、来ちゃいました」
「マリブサーフですね」



さすが、イケメン。ちゃんと記憶しててくれてるなんて、完璧すぎる。
ちょっとニヤけながら、カクテルグラスがかき混ぜられるのを見てる。
あんな風に、かき混ぜられたいな。長い指で。



―――中に、入れたい・・・



「!」


「どうぞ」


「あ、・・・あ、どうも」


「何か?」


「い、いえいえいえ、何でもないです」



もはや、バカ健二どころの騒ぎじゃないわ。
これ、健二の呪いかも。
急に思い出すとか、こないだの映画より、ホラーだし。


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