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兄の狂気
第1章 プロローグ
「いつからあたしの事好きでいてくれたの?」
愚問だな、瞳。
いつから…なんて、そんなの
初めて会った日からに決まってんだろ。
”兄妹”ってレッテル貼られて
やるせない気持ちでいっぱいになって
お前の事、可愛くて可愛くて仕方がないのに
大好きで大好きで仕方がないのに
キツく当たって何度も泣かせた。
自分の中にある、日に日に大きくなっていく
あってはならない気持ちを認めたくなかった。
だって俺達は”兄妹”だから。
お前の、俺に対する気持ちも薄々気付いていた。
これで俺達が他人なら、って思ったよ。
俺達が他人なら、お前を一生俺だけのものにして
離れたいって言われても絶対離してやらねぇのに。
禁忌を犯して、お前に苦労させたくない。
だから気付かないフリをした。
自分の想いにも、瞳の想いにも。
でも…
俺達が”カタチだけの兄妹”なら。
俺は遠慮しない…今まで我慢した分、
全てをかけて瞳を愛するよ。
瞳は俺のもの。
もう、他の誰にも渡さない…

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