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兄の狂気
第8章 感 情







気が済むまで抱かれてフラフラで帰ってきた
あたしをすごく心配してくれたお兄ちゃん。


泣きながら懸命に事情を話すと、
あたしにお風呂に入ることを促して出て行った。


お風呂から上がって少しすると帰ってきて、


「もう大丈夫だ」


って…


お兄ちゃんの服は汚れていた。


ところどころに血も付いていた。


何をしてきたのかは一目瞭然で…


次の日大学に行くと、
その男の子が土下座して謝ってきた。


傷だらけだった…


大学から帰ってその話をお兄ちゃんにすると、
部屋に閉じ込められて2日間抱かれた。


「これからは俺だけを見ろ」


って…


その時のあたしはお兄ちゃんだけだった。


お兄ちゃんだけを見ていた。


そうしなきゃいけない気がしていて…


でも…今は。


哲平に恋して、付き合うことになって、
なんとか理由をつけてセックスを断っていた。


「もうこんな関係やめたい」


あたしの言葉に、お兄ちゃんは信じられないくらい
あっさり今までの関係をやめてくれた。


哲平のことは話していなかった。


あの男の子の、あたしに土下座した時の
怯えた表情が頭から離れなくて…


哲平とは絶対に別れたくなかったから。


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