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彼色に染まってく…
第2章 2人の想い
やっと

自分の気持ちに
向き合うことができた
私は…


駅で凪にバイバイして



電車に乗り込んだ。



帰ったら
佑貴の家に言って…



今の
素直な気持ちを

きちんと話そう。



もしも…

ふられちゃったら




すぐに凪に電話して


慰めてもらおう…




なんてことを




電車に揺られながら
考えていたら





ふと
背後で

何かがモゾモゾと


動く気配を感じた。




ちょうど
帰宅ラッシュで


ぎゅうぎゅう詰めの
電車の中…




身動きも、殆ど
できない状態なのに…



まさかと思いながらも

背後に
神経を集中させると





モゾモゾと
動いているのは



どうやら後ろに立つ
おじさんの手だと
わかった。





おじさんの手は



制服の
スカートのあたりを

ゆっくりと…



撫で回すように
動きながら



だんだん私のお尻に
押しつけられてくる。





間違いない…
この人…痴漢だ!




どうしよう…




全身が震えだして


パニックになる




逃げ出すことも
できない…




怖くて声も出ない…






私が抵抗できないって
わかったからなのか…




おじさんの手は



ますます大胆に動いて





今にも

スカートの中に


入ってきそうな勢い
だった。





私は




ただ


怖くて

恥ずかしくて


気持ち悪くて…




俯いて

泣くことしか
できなかった。






ポロポロと
涙が出てくる…






泣きながら



何故か



佑貴のことを
思い出していた。






佑貴がいたら…






きっと
助けてくれるのに…



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