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彼色に染まってく…
第9章 開花
『麻~由~莉っ!
夏休みの夏期講習
終わったらさ~、

みんなで
カラオケ行こっ!?』


『うん!行く!』


『佐久間くんも
誘ってさっ!』



『えっ?』


『クラスの男子、何人か誘っておいてって

佐久間くんに
伝えてねっ!!

じゃ、
また連絡するねっ!』


凪はそう言って

慌ただしく
去って行った…



ちらっと佑貴の
席の方を見ると…

こっちを見ていたから
思わずドキッとした…



何故か…

昨日言われた事を
思い出す…


「俺の声を
聞いただけで
乳首を固くして…」



や…やだ…
考えちゃダメだ…


私は平静を装って
荷物をまとめた。



『麻由莉…
こんな所で

やらしい顔すんなよ』



いきなり背後に
佑貴が立っていた



『はぁっ!?』



『顔真っ赤じゃん!

ほら、帰るよ?
もーみんな帰ったし』


気が付くと
もう誰もいなくて…


教室は
ガランとしていた。



私達が
付き合い始めたことは

もうクラスの子達も
知っていて…


時々
気をつかってくれたり
するので


逆に居心地悪い時も
あるけど



佑貴の…
彼女なんだって

改めて実感できた。



『麻由莉さ、
何か…隠してる?』


校門までの道を
歩きながら

佑貴が聞いてきた。


『隠して…ないけど…

あの…佑貴!
デート…しない…?』


『…
あー確かに外でデート
してないよね、俺ら』


『いい…?』


『いいよ。どっか
行きたいとこある?』


『まゆ、噴水公園
行きたいのっ!』


『それ…
すぐそこじゃん』


『そりゃ
何回も行ってるけど…

付き合ってからは
行ってないもん。

噴水公園で…
彼氏とデートするの…

夢だったし…』


佑貴は私の頭を
くしゃっと撫でた。

『わかった。
初デートだもんな?
楽しませてあげる!』



噴水公園で佑貴と
初めてのデート…


その憧れの
シチュエーションに

私はワクワクしていた

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