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夢想姫の逃避録
第10章 崩れ去る幸せな日々
緋奈が頷いて顔を上げると、ユウガは優しく微笑んでくれていた。

「もう行かなくちゃ……」
「嫌よ!! ユウガ!! 行かないで!! ひとりぼっちにしないで!!」
「緋奈……安心して?すぐに戻ってくるから……迎えに行くから……だからいい子で待ってて?俺はまた必ず迎えに行くよ…約束」 
差し出された小指に恐る恐る緋奈自身の小指を重ねた。

「必ず迎えに来て……待ってるから!」
「嗚呼。必ず。ぜってえ迎えに行くよ。そしたら、今度こそ2人っきりでまた暮らそう?」

緋奈が涙の残る顔で笑顔を作ると、ユウガは安心したように笑った。


強い光に包まれて、緋奈たちは離れ離れになった。











また絶望に満ちた暗い暮らしが始まろうとしていた。


「ユウガ……信じてるからね」




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