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夢想姫の逃避録
第3章 大輪の花
「味どう?」
「全部美味しい!本当幸せ♪」
そんな笑顔いっぱいの緋奈を見て、ユウガが頬杖付きながら嬉しそうな顔で見つめてきた。

「え?何?どうしたの……?」
「ううん、なんでもない」
「えー!教えてよー気になるー!」
「なんかさ、緋奈の笑顔が増えて嬉しいって思ってさ。緋奈が幸せそうで良かったって思ってさ…」
そういえば……笑い方なんてわかんなかったのに、いつの間にか笑えるようになっていた。

「んー……よくわかんないけど、緋奈はユウガとだったらいっぱい笑えるのかな……多分。でも、ユウガとだったら幸せな毎日をおくれると思う」
「本当?」
「うん!連れ出してくれて……ありがとう……」
頬を赤く染め上げながらも、丁寧にお辞儀をした。

「そんなかしこまんなくてもいいってー(笑)でも良かった!緋奈はやっぱり笑ってる顔がいちばん可愛い……」
ユウガは緋奈に見惚れてるかのような目をしていた。
その視線を浴びて、さらに頬が赤くなってしまった。火照って暑く感じた。

緋奈の笑顔を愛してくれる人なんて、似合ってるって言ってくれる人なんていなかった。
目頭が少し熱くなった。
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