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夢想姫の逃避録
第4章 乱れ咲き
白馬の王子様は、お姫様の笑顔が何より大好きでした。

大好きなお姫様が幸せそうに笑っていてくれるなら、それだけで十分幸せでした。

見返りなんて求めない。只々、お姫様が幸せでいてくれるならもう何もいりませんでした。

だからこそ、白馬の王子様は許せませんでした。

お姫様を壊す人間の存在を。
お姫様から笑顔を奪う非道な人間達を、心の底から憎しみました。

ボロボロになったお姫様。
誰の手も届かない安全な夢の奥深くまで連れて行った今、王子様は隣で落ち着いてスヤスヤ眠っているお姫様の切れた口の端を指先でそっとなぞりました。
王子様はそれはそれは悲しげに、愛おしそうにお姫様を見つめていました。

「大丈夫だよ。近づく奴らは全員俺が追い払うから。もう心配しないで……大丈夫、俺がここで見張っているから……安心して眠って……」
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