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曖昧なままに
第16章 エピローグ
 俺と愛美――その出会いから始まったストーリーは、おおよそそんな処となろう。

 あの日から二年が経ち、愛美とは当然ながらそれっきり。今、何処で何をしているのか。正直、ふと頭を過ることはあったが……。

 まあ――彼女なりに、やっているのだろう。あの言葉が、俺にそう思わせている。


「……」

 煙草の一本を吹かし終えた俺は、立ち寄った公園の景色を改めて眺めた。そうしていると、時間もゆっくりと流れているような気がして。青空に浮かんでいる、白い雲と似ているのだと感じていた。

 先にも言ったように俺は今日、この近所に引っ越して来たばかり。とは言っても、別に仕事が変わったり、転勤があった訳ではない。

 此処は今まで住んでいた場所から、車でほんんの十五分余りの処である。会社からはやや離れることとなるが、俺はこの辺りのマンションに入居する選択をしていた。

 当然、そこには理由がある。つまり今までのアパートでは、流石に手狭となった訳で……。


「あ、いたいた! 一人でふらっと、何処に行ったかと思えば」
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