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曖昧なままに
第9章 乗り移りし妹
 俺は愛美からのプレッシャーに、打ちのめされてしまった。

 激しい疲れに襲われると、身体を力なくベッドに横たえる。全身の汗が急激に冷え、荒い息遣いで胸が波打つ。

 その姿を横目に、愛美はまたアイナの顔に。

「お兄ちゃんって、意気地なしだよね」

 そして身体を起こすと、呆れたように俺を見下ろす。

「けど、そんなトコも。愛菜、嫌いじゃないよ」

 そう言いつつ、俺の股の間を分け入るようにして、身体を滑り込ませる愛美。そして俺のしな垂れている股間を、指でチョンと突いた。

「だけどさ、お兄ちゃん。こんな感じで、彼女なんてできるの?」

「……」

「愛菜は、無理だと思うなあ」

「くっ……」

 愛美は喋りながら、首をゆったりと左右に振る。その度に二つに束ねた髪先が、さわさわと股間の辺りをくすぐった。

「ああ、今。ピクッとしたよ」

「もう……許してくれ」

 その言葉は、心よりの本音。

 アイナの兄を演じてしまったこと。話が有耶無耶のまま欲望に屈したこと。結局は果たせなかったこと。その全てが俺の中に、深いダメージとして残留している。

 しかし、愛美は――

「だーめ」

 と、萎えた俺をパクリと一口に含み入れた。

「ほぉれは、ふぁいなのぉ、ほぉふぃごとだほ」

 俺を呑み込んだまま、意味不明に言葉を発する。

 口の中では、蠢く舌が艶めかしく動き続け、緩急を加えねっとりと絡み弄ぶ。

 更に再度生じた兆しを高めるよう、じゅっじゅぱっ、と強烈に吸い上げた。

 その成果として、直立したソレを――

「ウフ――お兄ちゃん――復活」

 満足げに慈しむ如く、愛美は裏筋を幾度もペロリと舐め上げている。

「けどさ。お口なら元気なんて。結局、お兄ちゃんって――愛菜にご奉仕されてるくらいが――調度いいのね」

 喋る間も、一度も唇を離そうとせずに。唾液を滴らせた唇が都度、緩やかな振動を伝えた。

「ね――そうでしょ?」

「違う……」

「違わないよ――妹の口で――情けなく――無様に――イッちゃうの。それが、お兄ちゃんの――ホントの姿だよ」

「う……」

「いいよ。出して。愛菜が、見ててあげる。ホラ――出してっ!」

 手で一気に扱きつつ、カリ首をクリクリと舌で刺激する愛美。

「くっ、――ああ……あ……」

 その激しい放出は――恥辱に塗れた最中に訪れていた。
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