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冷たい夜の公園
第3章 [03]あと10分

「そろそろ時間かな?」
佑のジャージから手を抜き、葵は聞いた。
「そうだね」
「行こっか」
途中まで、帰り道を一緒に歩く。
佑は自転車で来ていたが、葵の歩調に合わせてゆっくりこいでくれていた。
学校のこと、勉強のことなど、他愛のない話をしながら歩く。
不意に、葵が佑の袖を引っ張った。
佑は不思議そうな顔をして振り返る。
「最後に…キス、しよ?」
佑は微笑みながら、何も言わず近づいてくる。
優しく唇を合わせると、
二人は幸せな気持ちに包まれた。

