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深海のパンツァー
第6章 *5*
「意義あり」

検察官ザウート大佐がすかさず言った。

「100パーとは?」

首を傾げる動きまで入れる。


「絶対にジャスティスの砲弾は回避不可能だってことだ」

「敵艦の性能に臆し……投降後にジャスティス級を救助したことにより、撃たせなかった………こんな茶番……どう証明する?」

ザウートのこの言葉こそ、この軍事法廷でジョルジュを破棄したいという連邦の意図である。
『敵艦救助』とは航行能力を失ったジャスティス改をリヴァイアサンでけん引したことである。
その見返りに、火力の生きていたジャスティス改はリヴァイアサンを攻撃しないという約束をしたのだ。
もちろん、その約束は果たされるが、連邦として天津帝国の旗艦と思われる通常とは異なる大型のジャスティス級を討ち洩らしたことに加え、「もし撃たれていたら?」「リヴァイアサンという最新鋭意戦闘技術を漏洩した」という罪状をレオンハルトに突きつけているのだ。

この裁判はレオンハルト自身の告発により、はじまり、ロージア国民はレオンハルトの死刑を期待している。
軍としての本音はレオンハルトを死刑にすることは1000人の兵を失うことと同じである。
たが、憎き敵国の艦を救助した彼を世論が許さないのだ。


「ふん、リヴァイアサンは海中においてその能力を発揮できる。パールバレット(機銃)があっても砲弾に対して対空処置はできん。
何度も天津艦艇と戦い、経験したからこそわかる戦略だ」

そう言ってゲイツはザウートを睨んだ。

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