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Dolls…
第11章 人形の瞳は…
私が着ている服は椎葉さんが用意してくれたゴスロリ風の真っ黒なワンピース。

スカートもバルン調に膨らんで、あちこちにフリルをあしらっているもの。



私はシンプルな服が好みだとシュウちゃんは知ってる。

地元にいるときもTシャツとジーンズ、ラフなファッションが好きだったから。


そんな私がこんな服を着てこんな屋敷にいるってだけでシュウちゃんからしてみれば不思議で仕方ないだろう。

私だって好きで着てるんじゃない…。

ただ、椎葉さんに用意されてて、それは無言の"着てろ"という命令のように感じたから着てるだけだ。

それに、タンスやクローゼットの中に入ってる服はこんなものしか入ってないし、他に着るものがないから。


「これは、その…」

「お前、ここで誰かと住んでるのか?」



「━━━━━━っ!」



私はここで、椎葉さんと暮らしてる。

だけど、それをシュウちゃんに知られるのが嫌だった。

「そう、なんだな…」



住んでるだけならまだしも、何をされてるのかなんて絶対知られたくなかった。

答えられないでいる私を見てシュウちゃんは何かを察したのか私の両肩を掴んで


「お前、どうしたんだよっ!?ここで誰と住んでるんだ!?…俺の知ってる椿じゃねぇみてぇだぞ?」

「…………っ」


シュウちゃんの目、本当に私の事を心配してくれてるのがわかる。

私の肩を掴む手の力でわかる。


「椿…?」

知られたくない。

知られたくないけど…


━━━━━だけど、でも…。







もしここでシュウちゃんに本当の事を言えば私を助け出してくれる。

この屋敷から逃げられる。

だったら、全てを打ち明けたって…

ある意味私は被害者なんだから。


「シュウ…ちゃん…っ」

「ん?どうした?」


そうだ…。

全てを打ち明けてシュウちゃんとここから━━━━。





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