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Dolls…
第12章 ゆるやかな崩壊
椎葉さん…?


「あっ、うっ!」


肌と肌がぶつからない一定の距離を保って私の中を荒々しく掻き回す。

さっきよりも更に私の体は激しく反応してる。


「わかりました!ここで待ってます!」

「悪いが髪もセットしたいから、俺が声をかけるまでそこで待ってて欲しい」

「わかりました!ごゆっくり!」



……椎葉さん?

もしかして、庇ってくれた…?



「んっ、あっ」

違う。

シュウちゃんをあそこに留めて私を追い詰めるのが目的なんだ。

じわじわと、真綿で首を絞めるように。


そして、椎葉さんは私の耳元で囁くように呟く。


「好きなだけ感じろ」

「んっ、んっ!」


"好きなだけ感じろ"?

この状況でそんなことが出来るはずがない。

だって、さっきよりももっと危険なところにシュウちゃんがいる。

こんな、いつ気づいても可笑しくない距離にいる。

もう身体中が痛くて、全身で悲鳴を上げてるようなものだ。

痛くて苦しくて辛い。


辛いはずなのに…っ。



「はっ、はんっ、くっ!」

歯をギシッと軋ませた。

もう、限界…。

「だ、め…っ、イッ…イクッ…ぅ」



限界だ…っ。

こんな状態で、こんな状況で、私の体は絶頂を迎えようとしている。

私はどこまで浅ましい女なんだろう…。

「イッ、い、ぁんっ!」


椎葉さんに絶頂を訴えたいのに器官が遮られ息が出来なくて声が出ない。

出せてもか細い、虫の息のような声しか出せない。

声を張れば椎葉さんに聞こえるだろうが、そんな大声を出すわけには行かない。

シュウちゃんに気づかれてしまう…。

「やっ、やだっ、あぅっ!━━━━━━━っ!」

頭が痛い。

クラクラする…っ。





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