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第13章 暖かな腕の中

「あ……」

お願い、シュウちゃん…。

何も、何も気づかないでいて…。

今だけは、私の嘘に付き合って。


「ね…？」

シュウちゃんは尚も私の顔を覗き混んでいるが、その顔はすぐにホッとした表情に変わった。

私の気持ちを汲んでくれたのか、シュウちゃんは私の頭を撫でながら

「……わかった。だけど、無理はするなよ」

「……うん」

シュウちゃんの優しい笑顔。

本当に私を心配してくれてるんだ。


「でも、こんなでっけぇ屋敷の飯ならすっげぇ豪華なんだろうな！楽しみ～」

「もぅ、シュウちゃんってば…」


シュウちゃんの顔がパッと明るくなった。

体調不良の私に気を使ってわざと明るくしてくれてる。


そんなシュウちゃんの優しさを感じながら、私の心は罪悪感と羞恥心でい
っぱいだった。

心の中で何度も何度もシュウちゃん謝った。






だけど、シュウちゃん…

お願いだから気づかないでいて…。


どうか神様、今だけはこれだけは見逃して━━━━━━。








よく耳を澄まさないと聞こえないぐらい小さな音。

私の下半身から聞こえる振動音。







「んっ、ん…っ」






ｳﾞｨｨｨｨﾝ…

























ダイニングに付くと、そこにはいつものように食事が用意されている。

いつものように、誰もいない広いダイニングにキャンドルの炎が灯っていて幻想的な空間を作り出している。


「…何だよ、このダイニング。ドラマや映画ぐらいでしか見たことねぇ…」

「た、確かにね…、はぁ…」


廊下を伝いながら何とかダイニングまで辿り着いた。

私の足と体力は既に限界を越えていて今にも倒れそう。