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Dolls…
第14章 幼馴染み










━━━━━━キィッ…






「待たせてすまない。食事を続けようか」



何事もなかったかのように椎葉さんはシュウちゃんが待つダイニングへと戻った。

シュウちゃんは席に着いたまま料理には一切手を触れず、まるで椎葉さんを待っていたようだった。

椎葉さんは席に着くなりフォークとナイフを手に取り器用にお肉を裁いていく。

しかし、ふっと見るとシュウちゃんの料理は全く手付かずの状態。



「食事が進んでないじゃないか。椿なら心配いらない。ただの風邪だ。今ベッドで眠ってる」

「……ただの、風邪?」



その言葉にシュウちゃんは椎葉さんをキッと睨み付けた。

そんな嘘、シュウちゃんには通用しない。



テーブルの下ではわなわなと手を震わせ膝を握り締めているシュウちゃん。

「どうした?俺の顔に何か…?」

クスッと笑う椎葉さん。


シュウちゃんの変化に気づき、それで全てを悟ったのか、シュウちゃんの神経を逆撫でするように椎葉さんはクスクスと笑っている。



「ふざけんなっ!!てめぇ、椿に何を…っ!!」



ガシャンッ!!


椅子を押し退けて立ち上がり、その衝撃でテーブルの上のお皿が床に落下して割れてしまった。

シュウちゃんのその表情からはこれほどにない怒りが見えた。


「…覗き見か?悪趣味だな」

「椿が心配だったから様子を見に行っただけだっ!」

「どっちにしろ覗き見たんだろ?同じ事だ…」



私の部屋までの通路、シュウちゃんは完璧に覚えていた。

昔から私と違って物覚えがよくて頭が良かったから。







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