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Dolls…
第14章 幼馴染み
私を送り届けた椎葉さんがなかなか戻って来ないので様子を見に来て、そして運悪く私と椎葉さんのあんな現場を目の当たりにしてしまったのだ。

怒るシュウちゃんをよそに椎葉さんは至って冷静にワイングラスを傾けている。


「て、めぇ…っ」

「お前は椿を連れ戻しに来たんだろうが、そういう訳だ。早々にお引き取り願おうか」



椎葉さんがどこまで先読みしてたかはわからないが、シュウちゃんを諦めさせるのが目的だったのかも知れない。

私と椎葉さんの関係を見せつけバラし、シュウちゃんを追い出すのが目的だったのかも…。


そんな余裕を見せる椎葉さん。

すると、シュウちゃんは完全にキレたのかその場から大股歩きで椎葉さんの元へ歩み寄る。

それは、今にも殴りかかりそうな勢いで…。



椎葉さんの目の前まで歩いたシュウちゃんは椎葉さんに掴みかかることもなくテーブルにバンッと手をついた。


「俺はあいつの両親に頼まれてんだ…。椿は連れて帰るっ!!」

「ほぅ…」

睨み付けるシュウちゃんとは違い椎葉さんはシュウちゃんの方に視線を向けることなくワインを味わっている。

ヴィンテージワインの口当たりを楽しんでいるだけだ。

シュウちゃんを相手にする様子もなく。


「このド変態野郎が…っ」

そう言い残し椎葉さんの前から立ち去り私の部屋へ向かおうとした背中を向けたその時だ。





「それは、お前にも言える事だろう?」

「…………何?」






その一言にシュウちゃんの足が止まった。

振り返ると椎葉さんは、席に着いたままシュウちゃんを見つめクスクスと笑っている。




「てめぇなんかと一緒に…っ」

「両親に頼まれてるから椿を連れて帰る?本当にそれだけか?」








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