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Dolls…
第14章 幼馴染み
席から立ち上がりゆっくりとシュウちゃんの方へと歩みを進める。

シュウちゃんの何かを読み取ったかのように。






「ど、どういう意味だ…っ」

「俺と同じで、椿の事をめちゃくちゃにしたいんじゃないのか?」

「な…っ」

「こんな山奥まで椿に探しに来たんだろ?…俺はそこまで健気じゃねぇが、同じ男としてお前の気持ちは少しぐらいならわかる」

「………………っ!」




シュウちゃんの何かに気づき、それを見透かすようにシュウちゃんに歩み寄りながら囁くように話しかけた。

その雰囲気がシュウちゃんには不気味に見えた。

それは、全く覇気も生気もない人形が歩み寄って来るように見えて

背筋がゾクッと凍った。


「ち、近づくんじゃねぇっ!…何なんだよ、てめぇはっ!!」

後退りをしながら、椎葉さんに反抗する。

まるでホラー映画に出てくる蝋人形のようにさえ思えてならなかった。

だけど、こんなところでこんな奴に怯えてる場合じゃないと思ったのだろうか…。


「椿を連れて帰りたいなら好きにしろ。けど、何度だって奪い返す。そのつもりでいるんだな」

「………っ!」

「お前なんかに椿は渡さないってことだ」

「ほざいてろっ!椿の事は俺が1番よく知ってるっ!俺の幼馴染みだっ!こっちこそ、誰がてめぇなんかに━━━━━っ」




声を荒げ恐怖を吹っ切るかのように椎葉さんにそう吐き捨てた。

声を荒げるシュウちゃんに対し椎葉さんは冷たい目でシュウちゃんを睨み続ける。

それはまるで、何も寄せ付けないかのような不動のオーラ。


「人形みてぇな顔しやがって…。椿はぜってぇ俺が連れて帰るっ!!」



椎葉さんをその場に残しシュウちゃんはダイニングから駆け出した。

椎葉さんに宣言した通り、私を連れて帰る為に、私を迎えに……。






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