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Dolls…
第14章 幼馴染み
今ここに椎葉さんはいないし、私を逃がそうとした事もまだバレてない。

外の天気はわからないが山の天気は変わりやすいとも言う。

もしかしたらまた豪雨になるかも知れないけど、椎葉さんに見つかって痛め付けられるよりかは遥かにマシだ。

流石にタクシーは捕まりにくいし徒歩になるかも知れないが上手くすれば今夜中に街まで辿り着ける。


「お、お前…、どうしたんだよ…?あいつに弄ばれて頭が可笑しくなったのかっ!?」



頭が可笑しい…?

確かにそうだ。

シュウちゃんにしてみればそうかも知れない。


あんなに好き勝手に弄ばれても尚ここに残ると言うのだから正気の沙汰じゃない。

頭が可笑しくなったとしか言いようがない。


「シュウちゃん、ごめん…。自分でもよくわからないけど…私は、ここに残る…」

「…本気で言ってんのか?どうしちまったんだよっ!」

掴んでいた手首を離し今度は私の肩に両手をかけ私の目を冷まさそうとするように激しく揺さぶられる。

必死に、怒鳴るように私を説得しながら。


「なぁっ!?本当の事言えよっ!あいつに脅されてるだけだろっ!お前の意思じゃねぇだろっ!?」

「私は、本当に…」

「ちゃんと俺の目を見ろよ!」


申し訳なくてシュウちゃんの目を見れないでいた。

シュウちゃんにしてみれば何かに怯えてるように見えたのだろう。

こんなにも、最後の最後まで私を信じてくれてる。

脅迫されてるんじゃないかと、自分の事のように必死になってくれている。

「おい!椿っ!」


シュウちゃん…。

探しに来てくれたのに…

助けの手を差し出してくれたのに、振り払ってしまってごめんなさい。






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