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Dolls…
第14章 幼馴染み
「シュウちゃ…」

よろけながらも私に背中を向けてゆっくりとドアの方へと歩いていく。

その後ろ姿はいつものシュウちゃんからは想像できないぐらいに寂しくて小さく思えた。


「━━━━━っ!!」


そんなシュウちゃんの背中を見ていられず私は再び顔を俯けてしまう。

思えばシュウちゃんは私と同い年で、椎葉さんのようにうんっと大人ってわけじゃないんだ。

大きいと思ってたシュウちゃんの背中がやけに小さく見えた。

身長も体重も私よりずっと大きいはずなのに、小さく見えた。

あんな小さな体で私を助けに来てくれたのに、それに答えることが出来なかった。

自分でもわからない激流のような気持ちに飲まれて、ちゃんとした説明も出来ないままに…っ。

さっきまで堪えていた涙が再び一気に込み上げて来る。


ただ、シュウちゃんだけは普通の世界で過ごして欲しい。

普通の生活に戻って欲しい。

椎葉さんに見つかる前に、早く…。


そう思ってただけなのに









━━━━━━━━カチャンッ











不意に聞こえた錠の落ちる音。



え…?

今、鍵をかける音が…?



涙が溢れ落ちそうな瞳でその音の原因を探ろうと、ふっと顔を上げると

それは


「シュウちゃん?」


ドアから出て行くどころかドアの前に立ち竦むシュウちゃんの姿があった。

もしかして、今の音って…、シュウちゃん?

シュウちゃんが部屋のドアに鍵を掛けた音?

でも、何で…?


「シュウちゃん、何してんの?早く行かないと…」


今なら椎葉さんにバレずに逃げ出せるのに…。

部屋に鍵を掛けて更に私を説得する気?

部屋に鍵なんか掛けたらここは完全な密室。

その密室でシュウちゃんと2人っ切りなんて椎葉さんに知れたら何をされるか…。








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