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Dolls…
第15章 その愛、凶器につき
だけど、それでもいいと思った。

私を助けに来てくれたシュウちゃんの気持ちを踏みにじった私のせめてもの償い。

幼馴染みのシュウちゃんとなら一緒に殺されても悔いはない。


「椿、退け!お前まで撃たれる…」

「いいのっ!お願いシュウちゃん、動いちゃダメッ!」


私の体を押し退けようとするシュウちゃんの背中に腕を回しその動きを止めた。

シュウちゃんだけ殺させたりはしない。


「退けっ!椿っ!」

椎葉さんの威嚇するような怒鳴り声が聞こえるがそれでも私の体はシュウちゃんから離れようとはしなかった。

シュウちゃんを1人では…っ。



「シュウちゃんは、私の大事な幼馴染みなんですっ!」

「…椿」

「どんな酷いことをされたって、幼馴染みなんです…っ」



人間、死ぬ間際になるとこれまでの人生が走馬灯のように甦るって言うけど、あれは本当だ。

小さい頃からのシュウちゃんとの思い出が頭に甦ってくる。


家が近所だったから、毎日のように一緒に過ごした。

小学校から中学校まで一緒に通った。

小さい頃は田舎の実家の縁側で一緒に昼寝もした。

一緒にご飯食べたり、近くの川原で一緒に遊んだり…

シュウちゃんは、私の分身みたいなもの。

だから…、シュウちゃんを1人で逝かしたりなんかしない。



「うぅ…」

シュウちゃんの胸に顔を埋めたまま、私の瞳からは大粒の涙が溢れ落ちる。

肩を震わせて泣く私の気配を察したのか、椎葉さんの怒鳴る声が止んだ。


「ちっ…」


舌打ちをすると、椎葉さんは拳銃を床に投げ捨てた。

それはまるで、シュウちゃんの行為を許したかのような証。






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