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Dolls…
第15章 その愛、凶器につき
「え?」

椎葉さんの質問は私の心を抉った。

その質問は私自身がが1番知りたい理由だから。

椎葉さんの質問に私は的確な答えを出せないでいた。


「出て行けと言った瞬間、お前まであの男と一緒に出て行くと思った…」

「………っ!」


椎葉さんは私を見ないままに俯きながらそう呟き、その言葉に私の心がドクンッと跳ね上がった。


確かに椎葉さんの言う通りシュウちゃんに着いて行く事だって出来た。

椎葉さんはシュウちゃんにだけ"出て行け"と言った訳じゃない。

私とシュウちゃん2人を逃がそうとしたんだ。


だけど、私は

シュウちゃんだけを逃がして私は椎葉さんの元へ戻って来た。

シュウちゃんに一緒に逃げようと言われたときも私は椎葉さんを選んだ。

ここに残ると言ってしまった。


「わ、私だってわかりませんよっ!何で戻って来ちゃったのか…」


わからない…。

ここまでされてるのに、どうして椎葉さんの元へ戻って来てしまったのか、自分でもわからない。


「椎葉さんこそ、拳銃で撃つなんて…」

「合鍵がなかなか見つからなくて…、気がついたら合鍵と一緒に拳銃を持ち出していた…」

項垂れながら独り言のように呟く椎葉さん。

この人、本気で…。

「本気でシュウちゃんを…?」

「んな訳ねぇだろ。よく見ろ…」


その言葉にハッとして先程銃弾が貫通したであろうベッドに目を向けたが…

「あ…」

銃弾が貫通したはずの銃痕がない。

ベッドには穴さえ空いてないなかった。



どうして?

確かに椎葉さんは引き金を引いて発泡したはずなのに。


「し、椎葉さ…」

「空砲だ。本気で殺すつもりなんかない」

空砲…?

じゃぁ、弾は発射されてなかった…?







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