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Dolls…
第15章 その愛、凶器につき


椎葉さん…。

あなたは…。




私が、シュウちゃんとここを出て行くと思ってたの?

だからそんなに震えてるんですか…?

私を誰にも取られたくないと思ってくれたんですか?




だけど、私は自分の意思でここに残ると決めた。

椎葉さんに止められる前に、ここに残ると決めた。

自分でも頭が可笑しくなったんじゃないかと思ってしまうぐらい。





「お前は俺だけの…」

椎葉さんの顔が近づき、椎葉さんの前髪が私の額や鼻先に触れる。






椎葉さん…っ。












椎葉さんの事を完全に許した訳じゃない。

今までされて来たことを思えば、そう簡単に許せるものじゃない。

だけど、私はこの屋敷に残った。

シュウちゃんに着いていく事もなく椎葉さんの元に残ってしまった。


この、無慈悲で残酷な人形のような人の元に留まってしまった。


理由もわからずに…。


だけど、今の私は…


胸がドキドキ高鳴って煩い。

激しく脈打ち過ぎて痛いぐらいに…。



椎葉さんの腕に抱かれた私は、反射的になのか無意識なのかはわからないが


抵抗することもなく、暴れることもなく







ただ、黙って目を閉じた。
























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