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Dolls…
第16章 誘惑の果て
私が自分から招き入れたお客様なのに、何だかとんでもないことをした気分だった。

椎葉さんが安藤さんを帰したがってたわけが少しわかったような気がした。

安藤さんのあの目が怖かった。







「はぁ…」

椎葉さんに楯突いて、安藤さんをこの屋敷に招き入れた癖に今更後悔してる。

結局、私が聞きたかった事は何も聞けなかった。

というより、あまり詮索しない方がいい気がした。

椎葉さんの事を詮索すればするほど、私のボロが出てしまいそうだったから。



溜め息を付きながら部屋に戻ろうとしたが、足取りが重い。



今更だけど…、椎葉さん、怒ってるだろうな。

居候の私がでしゃばった真似なんかしていい気はしないだろう。

招き入れた私が後悔なんかしてたら世話ないよ…。







部屋に付き、いつも通り大きなドアを開けた。

椎葉さんの買ってくれた服を試着してみないと…。

今日の夕食、恐らく安藤さんも一緒だろう。

安藤さんのいる前でこの服を着て、いつもみたいにジロジロ見られるのは嫌だけど━━━━━━





キィッ…








「おかえり」

「……━━━━━っ!?」










開いた扉の先に見えたのは…

ベッドに腰かける椎葉さんの姿。



「な…っ!」


予想もなく現れた椎葉さんの姿に一瞬体がたじろいでしまった。

何で、椎葉さんがここに…?


「尚人は部屋か?」

「あ、はい…。案内しました…」



足を組ながらベッドに腰かける椎葉さんの表情は…、怒ってると言うより、笑顔を浮かべていた。

でしゃばった真似をしたせいで怒ってるのかと思ったけど…、そうでもなさそうだ。




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