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Dolls…
第16章 誘惑の果て
「ごめんなさ…」

怖くて怖くて声が震える…。

今にも泣き出しそうな私を冷たい目で見下ろしながら椎葉さんは言う。


「俺は裏でコソコソと探られるのは好きじゃない」

「……はい」


椎葉さんが怒ってるのは安藤さんを招き入れたことじゃない。

安藤さんを使って椎葉さんの事を探ろうとしたことだ。

言葉にしなくても、私の考えは全てお見通し。

隠し切れないと悟った私は素直にそれを認め返事をしてしまう。



我ながら馬鹿な事をしたと思う。

自分の立場になって考えてみたら、私だって裏でコソコソ探られたらいい気はしない。

いくら他人には無関心な椎葉さんだって嫌に決まってるだろう。



「変なことを企みやがって…」

「ご、ごめんなさい…っ、ごめんなさい!」




「お仕置きが必要みたいだな…」

「え…?」







ニヤリと笑った椎葉さん。

私の体に股がったまま、胸元の前開きのボタン部分を両手で持つと


━━━━━ビリッ!



「きゃあああぁぁぁっ!!」

力一杯、真っ二つに引き裂いた。

レース使用だった胸元の生地。

ボタンがパラパラと床に落下した。


露になった胸を咄嗟に両手で隠したが…


「隠すな」

そう言って私の両手を掴み、退かせて、ベッドに抑えつけた。



「や、やめてっ!許して下さ…」

「は?もう俺に見られることに慣れてもいいんじゃねぇか?」



違う。

胸元を見られることには慣れてる。

今はちゃんとブラだって付けてる。

こうしてベッドで押し倒され、抵抗出来ぬように押さえ付けられ、服を剥ぎ取られる事にももう慣れた。

そう、今起こってる事は全て"いつもの事"なのだ。




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