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Dolls…
第17章 悪魔のささやき


私の耳に飛び込んで来た男性の声。


それは、椎葉さんと安藤さんの声だ。


ドアの向こうから椎葉さんと安藤さんの声が聞こえて来たのだ。









…椎葉さんと安藤さんの声?

ドアの向こうから聞こえるけど、何か会話をしてるようだ。

空耳かと思い耳をすませた。










━━━━━「どうすんだよ、お前…」

━━━━━「尚人には関係ないことだ」








空耳じゃない。

何か揉めてるような声がはっきり聞こえる。










私のドアの近くで揉めてるのだからこのまま出て行って何事なのか聞き出してもいいのだろうけど…




何故だろう、何だか怖い。




1度ならず2度までもでしゃばった真似は出来ないし、男性同士の喧嘩に首を突っ込むべきじゃない、と

頭ではそうわかってるが、私の感じてる恐怖はそんなんじゃない。

これは、聞いてはいけない会話。

何故か直感的にそう思った。

だけど、私の好奇心と知りたいと思う願望は疼いてる。






床につけた足。

気配を殺しながら音を立てぬようにゆっくりと忍び足でドアに近づく。

声を殺し、息を潜め、気配を殺し…、静かな部屋には私の心臓音しか響かないほど。

心臓が痛いぐらいに激しく脈打ち今にも破けてしまいそう。

嫌な汗が額にじんわりと滲んでる。



一歩、また一歩と近づく度に2人の声がはっきりと聞こえて来た。




「あの、椿ちゃんって子だって…」



今の声は安藤さんの声だ。

私の事を話してる。

私の部屋の前で椎葉さんと安藤さんが私の事で言い合ってる。

それだけでもただ事じゃない事が伺える。







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