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Dolls…
第18章 パンドラの箱
変だな。

私、怒られてるはずなのに…。

今だって、椎葉さんに罰を与えられてたはずなのに…

どうしてこんなに胸がドキドキしてるんだろう?


椎葉さんに冷たくされても、烈火の如く怒られ罰を与えられても、まだ心臓が鳴り止まない。

根本的な事を言えば、あんな酷い人の元から私は離れられない。

シュウちゃんが助けに来てくれた時も私は結局椎葉さんを選んでしまった。

ここから抜け出せるチャンスを自ら手放した。



酷いことされてるのに、好き放題に弄ばれてるのに…。




「先に行く。ゆっくりシャワーでも浴びてろ」

「あ、はい…」



私を残し先に地下から地上へ帰ろうとする椎葉さんの背中を名残惜しそうにただ見つめていた。




こんなめちゃくちゃな扱いを受けてるのに、どうして…?

どうして、私の頭の中にはいつも椎葉さんの顔が浮かんでるの?

どうして、私の心の真ん中にはいつも椎葉さんがいるの?



私の体、心までもが椎葉さんに侵食されて行く。



この鳴り止まない鼓動も、体を火照らす熱も、正体はわからないまま。

だけどもし

もしこの不可解な症状の原因がわかった時、私はそれを素直に受け止められるのだろうか?



それを認めた時、私は私のままでいられるのだろうか…。













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