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Dolls…
第18章 パンドラの箱
体を動かそうとするとあちこちがずきずき痛む。

特に背中は擦り剥いてるんじゃないかと思うぐらいにヒリヒリしてる。

これじゃあ、シャワーも浴びられないよ…。



だけど、体の麻痺や痙攣はいつもの事だけど今日は少し違う。

私の唇は覚えてる。

椎葉さんの唇の感触を…。


私から手を伸ばし椎葉さんの首に腕を回して椎葉さんのキスを迎え入れた。

迎え入れたというより、私から求めた。


「手出せ。ほどいてやるから」

「あ、はい…」

固く結んだ結び目はそう簡単にはほどけない。

隣のスタジオから持って来たであろうハサミで私の腕を拘束していた縄を切ってくれた。

「きつく縛り過ぎたか?痕になってなきゃいいが」


椎葉さんのお母さんの事を探ろうとした私への罰。

お仕置きという大義名分を振りかざした拷問。

なのに、私の体はこれまでにないくらいに感じ、悶え、椎葉さんの欲望を全て受け止めた。

口では嫌がりながらも椎葉さんの愛撫に感じた。


…今、椎葉さんの顔がマトモに見れない。


「俯いてどうした?」

「……いえ」





今、椎葉さんの顔見たら、恥ずかしさで顔から火が出てしまう。

現に私の顔と体がこれまでにないくらい熱い。

さっきから心臓がドキドキと激しく波打ってる。




「これで少しは懲りただろ?2度と母親の事は口にするな」

「……はい。すいません」

私の腕に巻き付いていた縄がパサリと床に落ち私の腕が完全に自由になったのを確認すると

椎葉さんは冷たくそう吐き捨てて立ち上がり私に背中を向けた。



だけど、私の胸は━━━━━


ドクンッ、ドクンッ…



心臓の鼓動が鳴り止まないでいる。







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