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Dolls…
第19章 泣きながら、あなたを…
わ、私が椎葉さんを好き…?

私が、あの人形の顔をした悪魔のような人を…?

「…や、やめて下さいよ、そんな冗談…」

必死に笑顔を取り繕ったが、口許や目元が引き吊る。

思ってもいない笑顔をムリヤリ作ってるせいで顔中の筋肉がヒクヒクと痙攣している。

「わ、私が…、椎葉さんを何て…っ」

ふっと見上げた安藤さんの瞳は、冗談を言ってる瞳じゃなかった。

真剣に私を見つめてる。




その表情に冗談やジョークをいってる気配は全くなくて、その真剣な眼差しが逆に私を追い詰めていく。





私が…、椎葉さんを…?

あ…っ、私が…?






心臓の鼓動がさっきよりも激しくなる。

それは、今にも破けそうなほどに…。







やだ…、やめて…っ。

違う…、私は椎葉さんの事なんて…っ。

やめてっ、認めたくない…っ。

認めるわけにはいかないっ!


頭ではそう叫んでも、私の体や心は気づいてる。

いや、気づいていた。

気づいてたのに、気づかない振りをしてた。

知らん顔をして、自分の気持ちに嘘をつき見て見ぬふりをしてた。


だって、認めてしまえば全てに説明がつく。

ずっと疑問だった自分の気持ちもハッキリする。




奈々さんとの関係が気になったのも、シュウちゃんの手を取れずここから逃げなかったのも、私から椎葉さんを求めたことも

胸を焦がすようなこの気持ちも

胸の高鳴りも

思い出すだけで熱くなる体の火照りも



全部、説明がつく。



私は…、椎葉さんの事が…っ!?



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