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Dolls…
第19章 泣きながら、あなたを…




がっかりって…。

椎葉さんは今、がっかりって言った…?

私に、がっかりって…?






振り返る事も出来ずに椎葉さんに背中を向けたまま固まっていると、椎葉さんはベッドから下りてしまった。

がっかりという冷たい言葉と私を残して…。


「ま、待って!椎葉さ…っ」

気まずいとか恥ずかしいとか、そんな事はどうでもよかった。

椎葉さんが言い放ったがっかりという言葉の意味を知りたくて、胸元を布団で隠しながら椎葉さんの方を振り返った。

椎葉さんは部屋から出て行こうとしてた。




「ま、待って下さい、椎葉さんっ!な、何なんですか?が、がっかりって…」

「そのままの意味だ…」

「そのままの意味って…」

私の方をゆっくり振り返る椎葉さん。

その瞳は…






━━━━━━━あっ…。













その瞳は、怒りが滲んでるとか、キレてるとか、そんな瞳じゃなかった。

私を見るその瞳は、本物の人形かのように無機質で覇気がない。

まるで、死んだような瞳だった。

椎葉さんを初めて見たときのあの瞳だった。









「椎葉さん…?」

「ははっ、理解力の乏しい女だな」

いつもの椎葉さんの瞳じゃない…。

いつもの椎葉さんの口調じゃない…っ。










どうして…?

何が起こったの…?

私、何か変な事を言ったの?

椎葉さんへの告白は、椎葉さんを怒らせるだけのものだったの…?










「お前も所詮はそんな女って事だ。がっかりした。もうお前に興味はない」










━━━━━━━え…?

私に、興味はない…?

え?何…?訳がわからない…。












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