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Dolls…
第23章 危険な香り
でも、もし本当に緊急を要することなら大変だし…。

「…………っ!」



勝手なことだとはわかってた。

だけど、もしかしたら大変な何かかも知れない…。

意を決したように私は



RRRRRRR、RRRRRRR、RRRRRRR、RRRRRRR…

RRRRRRR、RRRRRRR、RRRR━━━カチャ…




「も、もしもし。安藤です…」





私は安藤さんの電話に出てしまった。

受話器を取り、受話器を耳に宛てて。






声が震えた。

人のプライバシーに踏み入ってしまったような気がした。

受話器を取った今、後悔してしまってる。







「も、しもし…?」

『…………………。』






しかし、受話器からは何も聞こえない。







「あ、あの…、もしもし?安藤、ですが…?」

『…………………。』







もう1度、受話器の向こう側の相手に話しかけるが返答がない。

安藤さんが出ると思ってたのに、女性の声に驚いてるのかな?

だけど、一応こちらも"安藤です"って名乗ったし何かしらの返答があってもいいんだけど…。





「あの、もしもし?」

『………………。』







…もしかして、イタズラ電話?

こんな夜遅くに何度も何度もコールして、心配になって思わず出てみれば無言。

タチの悪いイタズラだ。








「はぁ…」

何だ…、拍子抜け。

溜め息を付き電話を切るために耳から受話器を離そうとしたその時












『椿…?』













━━━━━ドクンッ!









受話器から微かに聞こえた男性の声。

弱々しく私の名前を呼ぶ男性の声が聞こえた。













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