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Dolls…
第26章 Dolls…
「だから、椎葉さん…、椎葉さんも諦めて下さい…」

私は椎葉さんに囚われてる。

私の意思など関係なく椎葉さんに囚えられた囚人。

虜の身。

だから、椎葉さんが気に病む必要なんかない。

ただ、私がここに囚われた時のように…、あの頃に時間を戻しただけだ。



椎葉さんが私を愛してくれてると言うのなら、私は椎葉さんの囚人になる。

ただの人形になる。

それ以上もそれ以下もない。



それほどまでに、私は椎葉さんが欲しい。









「━━━━バカな女だ」

そう言うと椎葉さんは、私の体を押し返した。

椎葉さんから押し返される圧力を受けて、私の体は重力に従うままにソファに沈んで行く。

「ここから逃げられたものを…」

「…逃がさなくていいです」

覚悟なんてとっくに決めていた。

例え2度と椎葉さんを好きだと口に出来なくてもいい。

椎葉さんのそばにいたい。




外は豪雨。

どちらにしろ、私に逃げ場などない。




「…覚悟しろ。理性を外したのはお前だ」

すると、椎葉さんは私の体をくるんでいた毛布を強引に脱がせて行く。

心臓が高鳴り体の芯から火照って行き、寒さなど感じなくなっていた。

もう、寒さなんて知らない。

椎葉さんの瞳に見つめられてるだけで寒さなど忘れてしまった。



「ま、待って…、椎葉さんっ!せめて、シャワーを…」

今日はいろいろ有りすぎて汗までかいてる。

それに、この毛布の下は裸も同然だ。

それに…、こんな不安定な場所じゃなくてもっとちゃんとしたベッドの上に…。



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