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Dolls…
第5章 静かな晩餐
ベッドに寝転びながら椎葉さんの背中を眺めながら思った。


この人、今謝った、よね…?

私が風邪を引いたのは自分のせいだとか何とか言って謝った…。

バツの悪そうな顔して、照れ臭そうに背中を向けて。

「あの…」


胸が高鳴る。

私に酷いことしたこんな人なのに、ちょっと優しくされたぐらいでドキドキしてる。

少し状態を起こそうとした時だ、体に感じる違和感に気づいた。


「…っ?━━━━━きゃあっ!!」


私の今の格好…、カッターシャツから一変してパジャマみたいなものを着せられてる。

だぼだぼで明らかに男物のパジャマだけど…。

こんなものに着替えた覚えはない。

って事は椎葉さんが…?

「あ、あの…、このパジャマ…、椎葉さんが…?」

「…何を今更」

確かに、昨日から今日にかけて散々恥ずかしい姿を見られてる。

裸だって見られてるのに、何を今更着替えぐらいで…。

でも…っ。


熱で火照った顔が更に真っ赤になってしまった。


「……何か、消化のいいものでも作って来る。薬、ちゃんと飲めよ」

ふっと見ると、ベッド脇の棚にペットボトルのスポーツドリンクと風邪薬が置かれていた。

……これも、椎葉さんが用意してくれたの?

椎葉さんは立ち上がって部屋から出て行こうとしてる。


私は、ベッドの上で身動き1つ取れない状態。

熱のせいで体中の関節が痛くて、寝返りすら辛い。


「椎葉さんが…作るんですか…?」

少し声を発しただけでも喉が焼けるように痛い。


椎葉さんが料理を作るって事…?

あんな綺麗なフランス人形を作るぐらいだから手先は器用何だろうけど…、料理なんてしそうに見えない。






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