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タンバリンでできたオーロラ
第1章 ごムぞうり

「今日一日、俺とお前は入れ替わるんだ」
「えっ? どういう事ですか?」
「お前がゴムゾ売りになって、俺はゴム象、お前になる」
「えええっ! そんな事できるんですか!?」
「できるさ、簡単なもんだ。これを腰に巻くだけの事だろ」

 そう言ってゴムゾ売りの男は、腰を振ってみせます。
 彼の腰にはぐるりとゴムゾが巻きつけられていました。

 ゴムゾとは干した人間の生首で、陽によく当てられて縮んだそれは、額にそれぞれネクタイを締められ、男の腰を腰蓑のように飾っています。それを売るのがゴムゾ売りの仕事なのです。

「今日一日これをつけていられるんだぜ」
「それはいいですね。ブルーインパルスにはなれませんか?」
「なりたきゃなってもいい」

 ゴム象の無遠慮な物言いに、ゴムゾ売りは少し気を悪くしたようでしたが、ゴム象はそういう空気が読めるタイプではありませんでした。


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