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タンバリンでできたオーロラ
第1章 ごムぞうり

 こうして、ゴム象とゴムゾ売りの間で商談はまとまり、ゴム象は二万円でゴムゾ売りのゴムゾを全て買い取ることになりました。

 良い感じで騙されたわけです。
 ありていに言えば。

 畑の中で一部始終を目撃していたゴムゾ瓜たちは、内心プゲラでしたが、黙っていました。瓜にはそういう所がありますから、私はあまり好きになれません。

 ゴムゾ売りはそうやって儲けた二万円で、狙っていたゴム子を誘い、処女の体を愉しんだそうです。

 ゴム子はその翌日にはゴムゾになっていました。

 そしてゴム象は、それを知って怒り狂い、見かけたその場でゴムゾ売りの男を踏み潰し、その脚で自衛隊に応募し、ブルーインパルスになったそうです。

 今日も空のどこかを彩る七色の煙。
 それはゴム象の吐く愛と哀しみと怒りの葡萄なのかもしれません。







《ゴムぞウリ 了》



※収録されている表現は、作品の執筆年代・執筆された状況を考慮し、作品執筆当時のまま掲載しています。
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