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タンバリンでできたオーロラ
第36章 セキュリティ・システム
簡単に推測されるようなパスワードはよくない。

意味のある言葉や、誕生日。そんなのは絶対に駄目。
数字と文字との組み合わせ、それもできるだけ不規則なものがいい。
そして、可能な限り頻繁に変更しなくてはならない。

そんなことは、わかっている。

そうは言ってもなかなかそうはできないものだ。

誰もがそうするようになったのはごく最近のことだ。
銀行の暗証番号や、インターネットのセキュリティの時代には、そんな安易なパスワードはまだまだ蔓延していた。そればかりか、紙にメモしている人すらいた。

今ではそんな迂闊なことをする人はいない。
何故なら、パスワードが破られれば、失うのはお金などというレベルではなくなったから。

そう、読心機が発明されて以来、私たちは誰もが、自分の心に鍵をかけるようになっていた。

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