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第15章 それぞれの、朝 ②

(女王様って……
なんだかくすぐったいけど夢の中だし、たまにはこんなのもいっか)



あぐりはほくそ笑み、マッシュ男から箱を受け取り、リボンを解いて蓋を開けるが中身を見て頬をひきつらせる。

箱の中にはびっしりと"恋愛成就"やら"安産祈願""合格祈願"
"家内安全"
等の御守りが入っている。


『ちょっ……
気持ちは有り難く受けとるとして……
こんなに要らないわよ！それにねえ、何なのよこの安産て！
子供を産むのは私じゃないって――の！』



『おそれながら、女王様！
鉄は熱いうちに打てと申します！
野村がその気のうちに、ちゃっちゃと同棲して結婚して出産までダダーといきましょうよ！』



マッシュ男が顔を上げ、満面の笑みをあぐりに向ける。



『なんだ、三広君じゃない！
アッハッハ――！
……て、笑えるか――っ！』


あぐりは、玉座を立ち上がると箱の中身をぶちまけた。