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第19章 心～crossroads

まさかクレッシェンドの関係者と一緒に居る所で、洋平や母に遭遇するとは思わなかった……


この話は亮介から智也の耳に入るだろうか――

どうやって取り繕おうか、どんなストーリーを用意すべきか、と頭の中で考えようとしたが、昨日から今日にかけて色んな事が有りすぎた。


取り敢えず今だけはもう何も考えたくない。


エレベーターが景子の部屋の階に停まり、降りてからドアのロックを解除しようとした時、バッグの中でスマホが振動した。


見てみると、いつの間にか亮介からの着信と、あぐりからのメールが入っている。


メールは、あぐりからのグループlineトーク部屋への招待だった。


"吉岡あぐりさんから
『花咲けイケイケGIRLルーム』
への招待状が届いています"

という文面に、クリック用のURLが貼り付けてあるメールだった。



(何なのこの部屋のタイトル……)


景子は、苦笑しながら、クリックして部屋の招待を受ける操作をしたが、亮介からの着信が気になり、リダイヤルしようかとスマホを見詰めながら部屋へ入った。



パンプスをゆっくりと脱ぎながら指で亮介の番号を押そうとした時、その腕を強い力が掴み引き寄せられた。



｢――！｣



叫ぼうとするが口を塞がれて、スマホが床に落ちた。