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らぶあど encore!
第3章 魔性の女達
「あの、違うんです、ごめんなさい!」


女は掴み合いを始めそうな二人の間に割って入ると、一枚の名刺を綾波に差し出した。



綾波は名刺を見て方眉を上げる。



「北森、景子さん……
ああ、貴女が、岸会長の紹介の?」



景子は口角を上げて笑う。


見事な笑顔だった。


その場にいた人間は皆、その笑顔で景子を信用してしまった様に見えた。

それだけ品の良く、控えめかつ華やかさも滲み出る笑顔だった。


ただ、亮介だけは何かが引っ掛かっていた。



景子は祐樹を見て、頬を手で隠してはにかむ様な仕草をする。



「私……クレッシェンドの、西本さんの大ファンなんです……
まさか、こうしてお会い出来るなんて……夢みたいに嬉しいわ」


祐樹は景子の熱い憧れの視線を受け止めて、優美に笑う。


亮介は内心苦い思いで見ていた。


(祐樹……また自覚無しに女に愛想振り撒いて……お前には大事なほなみちゃんが居るだろうが!)
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