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弟プレイ
第12章 蒼 eyes.3 それでも…
 

胸の尖りを指先で摘んだり。

吸い付くような肌を唇でなぞりながら、舌で舐めあげたり、と。

自分が出来うる限り優しく理胡を導いたつもりだ。


「蒼君……あっ、は…ん」


けれど、彼女が俺の手に反応するほど。

舌っ足らずな喘ぎを唇から紡ぐほど。

触れている肌が熱くなるのと相反して、俺の中の熱は冷めていく。


「――やめよう」


ピタリと、俺は動きを止めた。


「どう、して…?」

「こういうのって、もっと理胡を大事にしてくれる男とした方がいい」


不安げに俺を見上げる瞳がたちまち潤んでいく。


「そっか……やっぱり、私じゃダメだったんだね」

「ごめん」

「もう、帰って」


彼女からの初めての拒絶。

それはきっと、最初で最後の――


「帰るよ」


背中を向けて立ち上がった俺は、振り向きもせず理胡と別れを告げた。

――こうして、俺と理胡の仮の関係は、後味の悪い形で終止符を打ったのだった。

 
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