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弟プレイ
第18章 続編,愛する人は一人
「あーあ、このまま傷心の俺がいても当てられるだけだな。お邪魔虫はさっさと退散しますか」
大袈裟に肩を竦めて見せると、先輩は踵を返す。
そのまま歩き出そうとする背中に、私は声を掛けられずにはいられなかった。
「……大好きでした! 先輩のことは初恋の思い出として、ずっと私の中に残っていると思います!」
先輩のことは過去形で。
私はもう振り向かず、蒼と一緒に歩むことを決めたんだ。
でも、先輩を想っていた初恋があったからこそ。
今がある。
それだけは、先輩に知っていて欲しかった。
「……俺も、梓のことが大好きだった」
たった一言。
背中越しに返してくれた先輩の言葉に実感する。
ようやく、私と先輩は本当の“さよなら”が出来たんだね。