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狂い咲き
第5章 狂い咲き 5
 広々としたリビングを見渡していると、彼は後ろから私を抱きしめてくれた。

「今日の夜は、なにが食べたい」

 彼の言葉に、私は本当に彼と夢のような三連休が過ごせると思い込んでいた。

「後でドライブがてら、買い物に行こう」

 私は彼の言葉に頷き、彼と激しく抱きあった。

 私は彼に、「作ってくれるの?」

 そんなバカなことを言った。

 彼はとても広い室内を一つ一つドアを開けて案内してくれる。

「ここが寝室だよ」

 なんの変哲もない、どの部屋とも同じドアだった。

 しかし、ドアが開いた瞬間、私は息を飲んだ。

 あまりの驚きに声も出せずにいると、彼は私の腕を痛いほど掴みあげ、室内に設置されている鉄格子に私を無理やり引き入れようする。

 彼の力は驚くほど強く、いくら抵抗しても、抵抗にもならないほどだった。

 鉄格子の中に連れ込まれると、彼は豹変したような鋭い眼差しを向けてきた。

 鉄格子の中は思った以上に広く、私はなんとかして鉄格子の中を逃げ回ろうとしたが、彼は軽々と私を捕まえると、ベッド代わりに置かれた、マットレスに強引に押し倒された。

 もちろん私は力の限り抵抗したが、彼に嫌というほど殴られ、着衣を引き裂かれ、あれほど優しかった彼とは思えないほどの荒々しさをみせた。

「やめて」

 彼が強引に私の中に入ってこようとする。

 押さえつけられた身体は、まったく動かすことができない。

 今までの彼とは思えないほどの腰つきで、強引に私の中にペニスが押し込まれると、あまりの痛みに声もだせない。

 彼は力の限り私の奥底を激しく突き上げていく。

 どんなに痛みを訴えかけても、彼の腰の動きは早まるばかりだ。

 あまりの痛みに、気を失ってしまうと、我に返されるように殴られ、また犯される。

 思い出したくもない悪夢だ。

 私は気がつくと、気を失い、マットレスに横たわっていた。

 意識を取り戻した私は、あまりの現実になにも理解ができないほどだった。

 彼に嫌というほど、ペニスで突かれ犯された痛みだけがある。

 私は、ぼんやり辺りを伺った。

 なにに使われるともわからないおぞましい物が、棚に整然と並び、マットレスの周辺には、彼が引き裂いた着衣の残骸だけがある。
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